七つの大罪41巻を読んだので、感想を書いていきます。
七つの大罪はこの41巻が最終巻なので、最終話のネタバレも含みますので、ご注意ください。
あらすじ
アーサーを利用して最後に「混沌」を復活させるマーリン。
その混沌が宿ったアーサーが無意識に使った能力は、世界を一瞬で訳の分からない状態に変貌させます。
混沌、横文字にするならば「カオス」。
まさに「世界を一瞬でカオスにする」と書けば、その能力のヤバさが分かるというものです。
そして現れる、ずっとアーサーと行動を共にしていた謎の生物キャス、
それが突然牙を向いてアーサーの右腕を捕食するという衝撃的な展開です。
目的はアーサーに混沌を覚醒させて、その状態で捕食すること。
そうでないと「おいしくない」らしいですが、混沌を取り込むだめでもあるのでしょう。
一同はショックを受けるも、紆余曲折を経て七つの大罪とアーサーが協力し、
最後はアーサーの国への想いと混沌の力の前にキャスは敗北します。
あとは大団円で、最終回ではおなじみとなったキャラ同士がくっつく展開。
メリオダスとエリザベス、バンとエレイン、キングとディアンヌがそれぞれ結婚します。
メリオダスに至ってはリオネスの国王になるという、かつてのメリオダスからしたら衝撃的なことを現国王のバルトラに告げます。
そして時が経ち、メリオダスとエリザベスの子供、バンとエレインの子供に名前が付けられます。
それは『アーサー王伝説』の円卓の騎士の名前、トリスタンとランスロット。
そして物語は次の彼らの世代へと移ることを示唆して、七つの大罪は幕を下ろします。
感想、アーサーとキャス
アーサーが復活したのだから、キャスが絶対登場するだろうなとは思っていました。
長らく正体が不明だったキャス、煉獄の生物とおまけページで鈴木先生が紹介してくださってましたが、そこまでヤバイ生物だったとは流石に思いませんでした(^_^;)
見た目は変な顔と形の猫にしか見えず、これまでもアーサーを助けていた彼(?)が、あそこまでの変貌を遂げるとはw
しかしアーサーを助けるために、アーサーを惑わせていた魔人族の配下を「捕食」していたり、
一度はアーサーが死んだときのあのヤバイ表情だったり、伏線はいっぱいあったわけで、その回収のされ方がちょっと予想以上だったということです。
なぜなら、
まさかのラスボス化。
だったのですから(^_^;)
でもこの物語は『七つの大罪』ですが、別の物語では主役であるアーサーを出す以上、活躍させないわけにはいかないですよね。
一度七つの大罪作中でアーサーが死んだ時は『アーサー王伝説』を知る読者からしたら衝撃的過ぎたことでしょう💦
それもあってかはしりませんが、そのラスボスへのトドメはアーサーに任されるという、アーサーファンにしても納得のいくものだったのではないでしょうか。
アーサーが最後においしいところを持っていく上でも、キャスは理想のラスボスだったわけですね。
アーサー自身がキャスに聞いていたように、
キャスもアーサーに対して一定の情みたいなのがあって、その情が邪魔して最後アーサーを殺せなかった。
と考えていた時期が私にもありましたw
そういう展開を予想していたのですが、
キャスの動機が「覚醒したアーサーを食べたかっただけ。覚醒する前に食べたっておいしくない」だったことは良い意味で予想を裏切ってくれましたw
訳アリのラスボスも最近物凄く多いですが、こういう外道の方が倒した時の爽快感は得られますし、
これまたアーサーが言っていたように「これで心置きなくお前を倒せるから」という読者にとっても同じ想いでキャスを見れますから。
キャスがまさかのラスボス。私的にはアリでしたね♪
感想、大団円
「大団円」という言葉はこういう物語が「めでたく」収まるという意味ですが、エスカノールを始め犠牲も多かったわけで、決して全てが「めでたく」とは言えないでしょう。
ですが、最終話付近に多い、キャラクター同士のカップリングがめでたくゴールインするという展開は、ありがちですがやはり良いものです。
ありがちだけど、むしろ物語を終わらせるにあたってはこのありがちな展開をしないと色々怒られたりもしますし(^_^;)
むしろこのありがち展開こそ待っていた人もきっと多いでしょう。私もその内の一人です。
メリオダスとエリザベス、バンとエレイン、キングとディアンヌ。
そのいずれにも言えることですが、くっついて、結婚する未来にまでたどり着けて良かったです。
三組とも長い時を経てようやくゴールインできたわけで、特にメリオダスとエリザベスに至っては三千年ごしという気の遠くなるような時を経てのゴールイン。
本当に良かったと心から思えます♪
感想、疑問点①死者の扱い
この七つの大罪は、特定の条件下では「死者が復活する」こともあり得る世界です。
復活した死者は、私の知る限りではエレイン、アーサー、かつての聖騎士長ザラトラス。
もっと沢山いるかもしれませんが、今回私が例に挙げるという意味での3人なので、ご了承ください。
メリオダスとエリザベスもそうですが、死に過ぎな上に復活といえるのか疑問なところも多々あるので、ここではちょっと除外します。
で、やはり死者が復活するのはご都合主義だと思ってしまうのです。
ドラゴンボールとかの世界でない限り、安易に死者の復活は個人的には止めてほしいというのがあります(^_^;)
ザラトラスは期限付きの復活だったのでまだギリギリ許容範囲内だったのですが、エレインとアーサーに至っては「永続的な完全復活」です。
もちろん上記のように特定の条件下だったからなわけで、アーサーに至っては物語を完結させる上でも重要な存在だったから無理もないのかもしれませんが、
だったらエスカノールも復活させてほしかった。
エスカノールは上記のマーリンに好意を抱いていて、そして死ぬ直前に想いを告げて、マーリンも少なからず想っていたとはいえ最終的には振られた上で満足して死を迎えます。
そういう最後だから復活は難しかったのかもしれません。
でも、エレインとアーサーだけ完全復活してエスカノールは復活不可能(他にも復活してほしい死者は多いでしょう)という不公平さはちょっとどうなの、とも思ってしまいました(^_^;)
あと個人的に復活してほしかったのは、デリエリとモンスピートですが。
特にエレインの復活、バンの不死を与えて完全復活ってのはちょっとご都合主義的では?
と思うのです。
まあ途中までエレインは期限付きの復活だったわけで、それが相当長い期間になっていたからここまできて「はいさようなら」はきついので、それもあってのことでしょうが。
バンとエレインの子供も次の世代の物語に大きく絡んでくるでしょうし、この二人が悲恋になるのはそれこそ辛いので、エレイン復活が反対なわけではなくむしろ賛成ですが。
だったら他の悲恋のキャラクターも復活させてほしかった、というのをちょっと思った次第です(^_^;)
感想、疑問点②活躍不可能キャラと今後
特に聖騎士たちですね(^_^;)
この七つの大罪に限りませんが、後半の強さのインフレが凄まじすぎて、聖騎士たちでは敵のネームドに太刀打ちできないどころか瞬殺されてしまうわけですね。
ヘンドリクセン等は天使やマーガレットを助けたりと活躍はしてくれましたが、ギルサンダーを始め、聖騎士はもう助けられるだけの空気でしたよね。
もちろんネームド以外の魔人相手に頑張っていた描写はあるので、だったらそこの出番も増やしてあげてほしかった印象です。
ハウザー、ギルサンダー、グリアモール、ギーラ、ジェリコ他。
『七つの大罪』という物語なので、七つの大罪が中心に活躍するのはしかたないのですが、もう少し彼らにも出番がほしかった印象です。
そしてもう一つ。
まさかの続編製作決定。
あれですね、次のトリスタンの世代になって、ランスロットを始め次の世代の仲間に支えられて・・・とった感じでしょうか。
まずトリスタンとランスロットの名前自体円卓の騎士から来ているので問題ないとは思いますが、
鈴木先生はかつてジャンプで連載していた『ライジングインパクト』でも同名の重要ネームドキャラを出していましたが、そのあたり版権的に大丈夫なのでしょうか?
まあそれは私が心配することではないですし、ガウェインにそっくりな妖精もいたし大丈夫そうかw
で、これは『ナルト』の次の『ボルト』みたいなものですね。
これもきっと賛否両論あるでしょう。
というか鈴木先生が引き続き執筆されるのでしょうか。
『ボルト』は岸本先生監修のもと違う先生が描かれていましたが。
正直、私はちょっと否よりな意見です。
『七つの大罪』自体、実はもう最近は以前ほど「めちゃくちゃ面白い」とは思えず、魔人王戦前後からちょっと読むのがダレてきてました。
恐らく「もう終わりでいいのに次から次へと新たな敵(あるいは死んだと思っていたラスボス候補が生きていて)が出てきてダレてきた」のだと思いますが。
正直「ここまで読んできたのだし」という義務感のようなものもありました。
それが上記の大団円で終わってスッキリ、というのを期待していたのですが、まさかの『ボルト』化。
ちょっと私的には「もう終わりでよくない?」と思ってしまったのです(^_^;)
ただ『ボルト』も読んでみたら面白かったですし、新たな世代の物語になることで全く新しいストーリーになるので、
上記の私の「マンネリに疲れた」というものを払拭してくれるかもしれません。
そこに期待しつつ、この感想をここで終えたいと思います。