タイトル通り週刊少年ジャンプ2020年24号を読んだので、感想を書いていきます。
いつも通りネタバレにご注意ください。
新連載『タイムパラドクスゴーストライター』あらすじ
今週号から新連載で始まった漫画です。
あらすじは主人公、佐々木哲平が漫画家になるために奮闘し、編集に何度もボツをくらいつつも、とある超常的な出来事がきっかけで新連載を獲得するというものです。
主人公は漫画専門学校に通っていた20歳の頃に描き上げた漫画をジャンプ編集部に投稿し、それが新人賞の佳作を受賞します。
以後担当編集がつきますが、そこからジャンプで連載されるためには読み切り漫画を出して掲載後にようやく可能になるようです。
しかし主人公の佐々木は新人賞佳作受賞後、以後4年に渡って担当編集にボツをくらい続けます。
担当編集が認めた作品が連載会議というものにかけられ、他の様々な読み切りから掲載される作品を編集達が決めます。
連載会議にかけられても上記多数の読み切りから選ばれることになるので、確率的にもそれで読み切りが掲載される可能性は低いです。
しかし、まず担当編集に認められなければ連載会議にも出されず、確実に読み切り掲載はされないのです。
よって、今回は2か月もかけて練りに練った自信作を担当編集に読んでもらうもボツ。
担当編集曰く「普通過ぎる」「個性がない」とのことでした。
しかし専門学校を卒業後に上京し、アルバイトや漫画家のアシスタントで食いつなぎつつも、家賃が払えるかどうかの生活をしている佐々木にとっては到底諦められるものではありません。
翌日にもネームを仕上げることを担当に告げ、約束通り再度読んでもらうもこっぴどくダメ出しをされてボツをくらいます。
失意の底に漫画家になる夢を諦めかけたその時、自宅が落雷に遭います。
それにより、友人にもらった「未来ロボットフューチャーくん」というフィギュア(?)を乗せた電子レンジが無惨にも溶けたかのように燃えてしまいました。
しかし「チーン」という電子レンジの音がし、開けてみるとそこには10年後のジャンプが。
驚きつつもそのジャンプを読むと、新連載の『ホワイトナイト』が超絶に面白い作品でした。
そのジャンプは時間が経過するといつのまにか消失していましたが、記憶の中にある確かな面白い漫画とアイデア。
佐々木は記憶を頼りにその話を読み切り用にアレンジし、もう一度編集部を訪れます。
担当編集はもう読む気もありませんでしたが、強引に編集部へ乗り込んだ結果、
紆余曲折を経て編集長に読んでもらうことになり、なんと絶賛されます。
他の編集も同じ意見であり、連載会議に回すことなく満場一致で本誌に読み切り掲載されることになったのでした。
しかし、とある高知県在住の引きこもりの女子高生は「なんで私の『ホワイトナイト』が載ってるの?」と驚愕する、という内容です。
新連載『タイムパラドクスゴーストライター』感想
なんというか、編集のイメージがまた悪くなる作品でしたね(^_^;)
しかし残念ながら編集は色んな漫画を読んでいるから主人公が描くような話は見飽きているので、編集が悪役のように描かれていましたが残念ながら真理でもあります。
どうしても『バクマン』と比較される内容なので、その『バクマン』を超えられるかどうかが注目ですね。
『バクマン』以来久しぶりにジャンプ編集部の中が描かれていて興奮しました。
私の見間違えでなければ、密かに『バクマン』の時の服部哲編集(他、私が存じ上げている実在の編集さん何名か)にそっくりな人物がいたりしましたねw
内容としては面白い作品でした。
まあ主人公と違って新人賞すら取れない漫画家を目指している方は5万といらっしゃるわけですが、そこをツッコんだら「漫画を描く漫画」としては面白みがなくなるから、そこは仕方ないのかもしれませんね💦
『タイムパラドクスゴーストライター』、まさに未来の超人気作家がゴーストライターとなるわけですね。
ただそういう内容であるが故に、今のところは主人公にまるで魅力が感じられないのが難点です。
境遇は同情しますし、家賃を払えるかどうかの生活をしている主人公には、恐らく同じような漫画家を目指している方々には感情移入されるでしょう。
でも上記のように主人公と違って新人賞すら取れない漫画家の卵だって、そして主人公以上に酷い環境の方だってたくさんいらっしゃるのです。
なのにその主人公だけ「運良く」下記漫画を描くきっかけが生まれるなんて、ちょっとご都合主義です。
まあ物語の主人公なのでそこは「そういうもの」でもありますが。
そして主人公がやったことといえば、
10年後のジャンプというあり得ないものとはいえ、超人気新人作家の漫画内容をパクリ、自分の作品とする「作品盗作」をしているのです。
何か『ドラえもん』にもそういうエピソードがあった気がします。
未来のジャンプから盗ったとか信じてもらえないでしょうから、そのゴーストライターがどうにかしないかぎりはまずバレないでしょう。
でももしバレたら普通に盗作ですし、盗作は犯罪です。
よって「漫画を描いて連載するという内容の主人公」としては最低レベルです。
私が今この場で責めなくても恐らくそのゴーストライターに大いに責められるのでしょうし、
今後の展開からそういう批判も覚悟の上で作者さんは描かれているのでしょう。
だから私の印象は悪いですが、上記の展開が予想されることを考えたらきっと「成長する伸びしろ」はあるのでしょう。
あと凄いと思ったのは、連載されている『ホワイトナイト』を読み切り用に瞬時に考えてページ数を削り、登場人物も読み切り時点では減らし、台詞のアレンジやあえてそのままにしたりなど、
編集のようなことしてましたねw
漫画家よりも編集の方が向いているのでは? と思ってしまいました(^_^;)
さらに2日続けて47ページの読み切りを2作品(合計94ページ)描いたことは驚愕です。
漫画描いてる方、あるいはイラストを描かれる方もそのあり得なさがお分かりでしょう。
私もちょっとイラストを描いたことはありましたが、一枚イラスト描くのに数か月かかったりしました(^_^;)
まあ私は遅すぎですがw
例えネーム(漫画の下描きのようなもの)と言えど、それを2日で94ページ分を2徹で描くことの凄まじさは理解しているつもりです。
人間業じゃない気がしますが、それだけ漫画家になりたいという執念は伝わってきたので、
前述の悪印象を今後で覆してくれることに期待します。
『鬼滅の刃』
前回のラストから「現代編で連載継続なのでは?」と若干不安でしたが、現代まで炭治郎と鬼殺隊のことがちゃんと受け継がれていた、という最終話でしたね。
そう、最終話です。
これほどの人気作、よく編集部は終わらせることを許可しましたね。
かつてならあり得ないことでした💦
終わったことが残念で寂しくもありますが、
ちゃんと無事に、人気絶頂のまま終われて本当に良かったですね。
炭治郎を始めとする鬼殺隊の子孫が登場します。
死亡したキャラもそっくりさんが登場していることから、
死亡キャラのそっくりさんは転生した存在、のようなものなのでしょう。
なぜなら死亡した者は当たり前ですが子孫を残せないですから。
死亡した者の兄弟姉妹の子孫という説もありますが、天涯孤独な者も多かったですし、やはり転生した存在なのでしょう。
何より善逸の子孫の言葉「輪廻転生って信じるかよ」「俺は信じるよ。絶対みんな転生して幸せに生きてるんだ。平和にために鬼と戦って命を落とした人たちは」
これが全てですね。
錆兎と真菰まで居て、義勇さんそっくりの少年の義一(こちらは生まれ変わりなのか子孫なのかは定かではありませんが)と一緒に居たのは感動でした♪
そしてカップリングが決着しましたねw
子孫の顔のそっくり具合と名前から、間違いなく炭治郎とカナヲがくっついた結果ですねw
私の望み通りのカップリングで嬉しいです♪
そして禰󠄀豆子は善逸とくっついたんですね。
うん、まあ、アリダネw
もし叶うなら、どなたかの同人設定でもいいから、
炭治郎とカナヲ、禰󠄀豆子と善逸がっくっついた馴れ初めとかを描いてほしいですねw
しかし、作中で死亡した主要キャラは軒並み転生という形で再登場していますが、まさか「キメツ学園」に繋がるのか?
とも思いましたが、明らかに年齢がおかしい(義勇さんに関わりあるキャラが小学生ぐらいだし、煉獄さんも炭治郎の子孫と同い年?)から、やはりキメツ学園とは違う世界線なのですね。
死亡したキャラがこうして再登場するというのはご都合主義とも取れますが、
でも鬼滅の刃の世界は死人が多い上に人気キャラも私のお気に入りキャラも容赦なく死んでいったので、
こうでもしないと辛すぎますから、これはこれで良い大団円だったのではないでしょうか。
ここまでの人気作で、無事に終われて本当に良かったです。
何かTwitterでは作者である伍峠先生の偽アカウントが出現したりなど騒動もあったようですが、それほどの先生になったという証でもありますね。
偽アカウントで成り済ます人はもう最低の一言ですが。
何はともあれ、これほどの感動できる素晴らしい漫画に出会えたことに感謝します。
伍峠先生、連載本当にお疲れ様でした(^_^)/
『ハイキュー!!』
今回は星海くん回ですね。
『ハイキュー!!』はそのキャラに焦点を当てて魅力を描くために、1話分使ったエピソードの補完が多いですね(例え敵チームのキャラであったとしても)。
しかも作中で約5年? の時間経過があり、その間何をしていたかも描かないといけないから、
それを試合に出ているキャラだけでも全員描こうと思ったら試合終わるんじゃね? とも思いましたがw(そのキャラの活躍により点が入るからセットポイントにすらいきそう)
まあこういう試合ではお馴染みの、バレーボールの試合ならフルセットまで絶対やるだろうから、まあ大丈夫かw
星海くんの場合は、主人公の日向くんもそうですが、「小さい」という弱点があります。
まあ彼らだって170㎝越えたし、私からしたら「小さくない」どころか「デカい」わけですが、
バレーボールやる上ではその身長でもはるかに不利なわけですね。
いや不利どころかバレーボールでスパイカーなのにその身長では致命的だと思うわけですが、
星海くんは凄まじい跳躍力と滞空時間の長さ、ブロック同士の隙間を瞬時に見極める視点とセンス、
ブロックに対するブロックアウトを狙ったスパイクなどで互角以上に戦う異質な存在です。
しかも今回、日向くんが「ブロックアウトしてくる」と読んで手を引っさげたわけですが、
星海くんは「日向にブロックアウト狙いを気づかれた」ことに気づいて瞬時にコート内にスパイクを決めました。
打つ直前で(手はもうボールに当たっててブロックアウトの打ち方してたのに)強引にボールの軌道を変えたわけです。
滞空時間が長いとはいえネットを挟んだ空中なんて0.何秒の世界で、それで相手の動きを読んで瞬時に行動を変えるとか、
いくら何でもちょっと無理があると思うのですが。
いやしかし、まあフィクションですし、星海くんですしw
と思うことにしました(^_^;)
『僕のヒーローアカデミア』
ヒーローの在り方に一石を投じたような内容でしたね。
暗躍してスパイのような行動をして、結果的に騙し討ちのような真似をしてヴィランの主要キャラを殺したホークス。
その弟子である常闇くんに対しての荼毘の台詞、
「(トゥワイスは)そいつ(ホークス)が殺した。仲間を守ろうと走る背中をグサッと――中略――お前が健気に夢見るプロってやつあ俺たちなんかよりよっぽど薄汚えぞ」
ヒーローは人々を守る華やかな職業であり、悪人であるヴィランと戦う時も「確保するために戦う」のであって、殺すためではない。
ヒーローが殺したらヴィランと同類とみなされるのか、あるいは失望されるような世界なのかもしれません。
ヴィランとてヒーロー社会で生きていけなかった者が中心で、主にはみ出し者が多く、ヒーローによって虐げられた過去を持つものだっているのは知っています。
なのでヴィラン側にも事情があるのは理解しています。
でも、それでも私の見解はこうです。
「いやお前らの方が絶対薄汚いだろ。やってることはホークスと同じどころかその万倍下衆なマネを、特にお前らの親玉がしてるくせに(人の死体から生前の意識をある程度持たせた脳無の件や個性の剥奪、個性の持ち主は当たり前ながら殺害、個性複製、その個性を脳無に移動など)、
お前らはそんな行為が許されて何でホークスはそこまでボロクソに責められるわけ?」
です。
自分たちのことを棚に上げて相手を責められる図々しさは確かにヴィランですが。
そんな下衆集団を相手にするのだからこちらも搦め手でいかないと連合――いや戦線か、のアジトすら分からなかったわけで。
ちょっと正々堂々から離れるだけでここまで、しかもよりによってヴィランに責められるとか、
かなり胸糞悪くなりました。
ですが、常闇くんの台詞。
「薄汚くなどないぞホークス!! 信じてる! 皆信じてる! 正しいことをしたんだと!」
これが全てですね。
ホークスがいなかったら戦線のアジトも死柄木の居場所も永遠に分からず、きたるエックスデーが分からないまま戦線が一斉に攻めてくる日を待つしかなかったでしょう。
ヒーローだって、そういう戦法を使っていい。
「それを批判するならお前らヴィランもそういう戦法一切使うな」
そう言いたくなるような、でも今後のヒーローの在り方にちゃんと理解がいきそうな、そんな希望もある回でしたね♪