ちょっと遅くなりましたが💦
週刊少年ジャンプ2020年36・37合併号を読んだので、感想を書いていきます。例のごとくネタバレ注意です。
読切『心霊写真師鴻野三郎』 あらすじ
『約束のネバーランド』の白井カイウ先生、出水ぽすか先生のコンビ最新作ですね。
というかこの間約ネバ終わったばかりなのに、流石プロの先生方は次回作も早い♪
あらすじは、写真を撮ることで幽霊を成仏させる仕事、心霊写真専門のカメラマンの鴻野三郎(こうのさぶろう)が、
少年、小金井壮太(こがねいそうた)の隣の家に引っ越してくるところから始まります。
壮太の隣の家、今回鴻野が引っ越した家には幽霊がでるという噂で、今まで引っ越してきた者は3日と経たずに逃げていく訳あり物件でした。
しかし、今回の鴻野は上記職業のため、あえて引っ越してきていたのでした。
ある日、突然鴻野が壮太の家を訪ねてきます。
上記目的を告げつつも、見るからに不審者まるだしの風貌で壮太をビビらせますが、有無を言わさぬ迫力と言葉巧みな方法で、壮太は鴻野の家に行くことになりました。
鴻野はこの部屋に出ると言われる幽霊の正体を確かめるため、壮太に話を聞きたかったようです。
壮太によると、かつてこの部屋に住んでいた会社員の女性がおり、名前は柿咲洋子(かきざきようこ)。
4か月前の雨の日、洋子が窓から飛び降り自殺したとのことでした。
警察の調べで職場でのトラブルが判明し、それを苦に自殺したのでは、と言われていました。
その話を鴻野にした直後、突如鍵が掛かっている筈の扉が開きます。
姿なき来某者は、鴻野がその見た目の特徴を言っていくごとに、壮太にも段々姿が見えていきました。
それは異形の姿の幽霊となった、洋子でした。
恐れおののき逃げようとする壮太でしたが、鴻野は洋子が言葉を発していることを指摘し、言葉を聞くことを促します。
ソ・ウ・タ・ハ・ド・コ
と言っていました。
鴻野「彼女何故か壮太さんを探してるんですよね」
壮太(この人、だから僕をこの部屋に…?)
鴻野「壮太さん。あなた何か隠してますよね――中略――あなたは洋子さんを知っていた。優しい人だったんでしょう? ならば尚更何をそんなに怯えているのですか?」
壮太「だって…だって…洋子さんは僕を恨んでるから…! 僕が…僕が洋子さんを殺したから……」
洋子は、生前壮太と親しい間柄でした。
壮太は真相を隠していましたが、4か月前に自殺をしようとしたのは、壮太自身でした。
彼は学校で苛められており、唯一の親である母親は仕事が忙しく、迷惑をかけたくない想いから相談できずにいました。
苛められ、泥だらけで衣服に足跡がついた状態の壮太を、洋子は偶然目撃してしまいます。
洋子「…足跡」
壮太「誰にも言わないで。もちろん母さんにも」
洋子「でも…」
壮太「うち父さんいなくて…母さんいつも仕事で忙しいんだ。こんなの恥ずかしいし…困らせるだけ…それに、余計な心配かけたくない」
洋子「わかった。誰にも言わない。その代わり壮太君も約束して。私には全部話して。一人で全部背負い込まないで。約束して」
そして、壮太が自殺しようと窓から飛び降りようとした時……洋子はまたもやその瞬間を目撃します。
洋子「約束覚えてる? 早まらないで話をしよう。今そっち行くから」
洋子は壮太を助けようと、隣の窓に移動しようとします。
しかし、隣の窓の手すりを掴もうとした瞬間、雨で濡れていた手すりは滑り、洋子は窓から転落してしまったのです。
壮太(僕が、約束を破ってあんな馬鹿なことをしなければ、洋子さんは死なずに済んだ)
洋子の霊を目の前に、壮太は鴻野に告げます。
壮太「僕のせいなんだ。僕が殺したも同然なんだ」
自責の念に囚われる壮太に、幽霊となった洋子は、壮太を抱きしめます。
洋子(霊)「ヨカッタ…ソウタクン…イキテル」
鴻野「洋子さんは壮太さんを恨んではいませんよ。ずっと心配していたんです。そして伝えたかったんです」
洋子(あなたのせいじゃない。あなたは悪くない。恥じることもない。逃げたっていいの、辛ければ。どこへでも。でも、あなたは一人じゃない。一人じゃないから)
洋子(霊)「だから、生きて。笑って。死ぬなんてロクでもないわよ」(――だからもう死のうだなんて考えないで)
壮太「うん。今度こそ約束する。ごめん…ごめんね洋子さん」
そして、そんな二人に鴻野はカメラを構え、
鴻野「一枚よろしいですか?」
こうして、二人が再び約束し、指切りをした瞬間にシャッターは切られました。
洋子は鴻野に礼を言い、成仏しました。
後日、壮太は母親に全てを話し、転校することになります。
そして鴻野は、人知れず姿を消していました。
読切『心霊写真師鴻野三郎』 感想
やはり流石というか、安定の面白いお話でした。
まず「洋子の自殺」のことを話す壮太の……
壮太「自殺だよ。4か月前の雨の日に女の人がその窓から飛び降りたんだ――中略――挨拶程度の付き合いだったけど感じのいい優しい人だったよ」
の発言から、瞬時に嘘を見抜いた鴻野など。
鴻野「だって妙ですよ。挨拶程度の付き合いで何故『優しい人だった』なんてわかるんですか? 『優しそう』ならともかく」
この辺りが約ネバ序盤のママとの騙し合いを思い出して、さらには霊が迫っている状況もあって物凄くワクワクしました。
私は、何気に約ネバは序盤のグレイスフィールドハウス編が好きだったので、またお二人の先生のこういう何気ない言葉から相手の真相に迫るやり取りが見れて嬉しいです♪
幽霊を無理やり成仏させるのではなく、生前のやり残したこと、想いを叶えて前向きに成仏させる話はよくある展開ですが、
それを約ネバの先生方が描くことでサスペンス感や推理ものも混ぜたような感じになってるのが良いですね♪
しかも壮太と洋子の想い――それぞれがお互いに感じている「負い目または罪悪感」と「あなたは悪くない&生きてほしい」的な描写、
それらの切ない人間模様を描くのが物凄く丁寧で感情移入もできました。
あと、『約束のネバーランド』のタイトルで以前連載されていたお二人の先生ですが、
今回の壮太と洋子を結ぶキーワードも「約束」だったのが泣けます。
これがストーリーにおいて単に重要なキーワードだったからという偶然なのか、あるいは約ネバという前作を知っている者への一種のファンサービスなのか、
そういう考察も膨らむから余計に面白いですね。
写真の描写の時にエマとノーマンの写真が写ってたのもしっかり前作を意識されていましたし、私の個人的には後者のファンサービス「も」兼ねているという感じがしますね♪
『僕のヒーローアカデミア』
とりあえず気になったのは、芦戸さんとギガントマキアのまさかの接点というw
私は一瞬、まさかのギガントマキアにかつて助けられていた!? と思ってしまったのですが。
芦戸さんが制服姿で怯えていた過去の描写と、その制服姿が現在の芦戸さんにもフィードバックされて、その時を思い出して睡眠薬(?)を投げる手元が狂う描写。
これからして、明らかに一度ギガントマキアに遭遇して殺されそうになったということでしょうか。
そしてギガントマキアはもはや周知の事実ですが、主の命令がないと動かないので、すんでのところで命令がなくなって停止したという感じでしょうか。
この土壇場にきて気になる新たな伏線をはるとは、流石ですね堀越先生♪
そして、やはり前々から分かっていたのですが、芦戸さんと切島くんのフラグが進みそうで物凄く嬉しいですw
恐らく再び(?)ギガントマキアに殺されそうになった芦戸さんを助け、それどころかマキアによじ登って睡眠薬を飲ませる快挙!
切島くんカッコよすぎるんですけど!
なにこれ芦戸さんじゃなくても惚れそうなんですけどw
やはりヒロアカは他のキャラの見せ場も物凄く丁寧に描かれてて、しびれます♪
『アクタージュ act-age』
非常に残念なのですが、この123話が最終話、ということになってしまうのでしょうか。
まさかの原作者の先生が逮捕されるという、読者はただただ残念なわけですが。
被害に遭われた方のことも考えると、残念ながら妥当と言わざるを得ません💦
この123話を最後に連載終了となることはもうアナウンスされていましたし、これを最後に本当にもう確実に読めなくなるのか。
あるいは何年後かに、かつての『世紀末リーダー伝たけし』のように何らかの形で終われる道があるのか。
それは分かりませんし、今この記事で論ずることも無意味でしょうから、最後になるかもしれないアクタージュの感想を書きます。
現実にも子役でブレイクして、大人になっても芸能界で活動している方々は多々いらっしゃいます。
例えば坂上忍さんが有名でしょうか。
でも、子役の年齢を超えると消えて、そのままフェードアウトされた方も多いです。
今回の皐月の件はまさにそれな気がします。
私は芸能界にも子役にも詳しくありませんが、子役のほとんどが親の都合でなっている子が多いのは分かります。
子役ができるぐらい幼い子供が、まして自分の夢を見つけるというより、「夢という言葉の意味や定義」すら分からない子だっていると思います。
そんな幼い子が自分の意志で芸能界に入りたいと思うのは稀だと思います。
そして、中学までに芸能界を退けば支障なく一般社会に戻れるという親の愛情も理解はします。
しますが、だったらじゃあ何で子役をさせたの? って話になります。
最初から芸能界に入らせなければ良かったのに、という疑問が当然出てきます。
ですが、それは恐らく一読者がよそのご家庭の事情に踏み込むようなものなので、私がその是非を語る資格はないでしょう。
ですが親の都合で勝手に子役にならせて、親の都合で勝手にその権利を取り上げるのはどうなのか。
それぐらいは語りたいものです。
せめて自分の都合で子役にさせたのですから、その結果子供が芸能界を本気で気に入り、本当の意味で「自分の意志で」芸能界に居続けたいと願ったならば、
自分の都合で子供を芸能界に入れた責任として、親はその道を全力で応援とサポートする義務が発生すると思います。
私の勝手な想いなので、そしてやはりご家庭の事情のある分言えた義理ではないのですが。
自分の都合で子供の意志考えず芸能界に入れたのだから、その子供が飽きるか挫折して「辞めたい」と言うまで最後まで面倒見ろ。
と、そう思わずにはいられないエピソードでしたね。
そして芸能界の闇、怖さを垣間見た気がしました。
あと夜凪さんは皐月に過保護過ぎましたね。
しかも、自分で言っていたように「私上ばかり見ていた。反省だわ。下も怖いのね」
この台詞からも分かるように、
皐月を明らかに下に見ているわけですよね。
子役で自分より遥かに年下で、演技力という意味でも自分の方が上と思うのは分かります。
ですが、環さんも指摘していたように、相手を対等に見ていない証拠とも言えますから、主人公のこういう台詞は気になってしまいますね。
ですが、やはりストーリーは面白いです。
これからさらに面白くなりそうな時だったのに、惜しい💦
作品に罪はないので、その作品が終わってしまうことを惜しむぐらいはさせてもらいつつ、
最後になるかもしれないアクタージュの感想を終わります。
『ミタマセキュ霊ティー』
唐突に時間が進み、この春から短大生になる予定のハゼレナが新居に引っ越し、
そして何故かその新居のアパート(?)には今まで関わってきたセキュ霊ティーの皆さんが次々押し寄せ、そのアパート全部がセキュ霊ティー関係者になってしまい、
皆ことあるごとに「俺達の戦いはこれからだ!」的なセリフを口にし、
皆してなんなの!? 今日それを言わないと死ぬの!? みたいなツッコミをハゼレナがしますw
そして最後、ほぼ見開きのページで。
ハゼレナ「私たちの戦いはまだ始まったばかりだーっ!」
しかし皆は言わない。
ハゼレナ「言ってよ!!」
あれですね。
「俺達の戦いはこれからだ!」的な定番な打ち切り方をあえてやり、
それをネタにするというやつですねw
最後の最後まで、読者を笑わせようという鳩胸先生の執念? のようなものを感じましたw
残念だったのは、ミタマさんとハゼレナのフラグの進展。
これをもう少し見たかった。
ミタマさんが居なくなった時のハゼレナの泣き顔は忘れられない(^_^;)
あとは、ハゼレナの父親がセキュ霊ティーだったという伏線。
この伏線も回収されていないので、特別番外編でやるのかな?
しかし、正直終わってほしくなかったです。
唐突でしたね。
なんというか、かつての『ドラゴンボール』とか、最近なら『鬼滅の刃』とか。
こういうほぼ誰もが認めるような超絶に面白い作品が、今のジャンプには非常に少ないのです。
そして上記のようにアクタージュも終わってしまう。
こういう危機的状況なのに、打ち切る速度は変わらないのは何とかした方が良いと思います。
この『ミタマセキュ霊ティー』が大ヒットする可能性だってあったのですから。
ただでさえ面白い作品が少ないのに、それをさらに減らしてどうするんだと言いたいです。
時代は変化するのですから、かつての黄金期のような面白い作品を提供できないのなら、打ち切りについてももう少し考え方を変えてもらいたいものですね。