週刊少年ジャンプ2020年38号を読んだので、感想を書いていきます。例のごとくネタバレ注意です。
新連載『BURN THE WITCH』
大御所、久保帯人先生の新連載ですね。
とはいえ、以前読み切りを掲載されていた作品の続き、ということでしょうか。
そして全4話という短期連載が決定済みとは💦
今のジャンプは残念ながら、面白い作品が減っていっているので、是非とも今のジャンプを引っ張って行って頂きたかったですが、逆に4回と決まっているなら不意な連載終了に落ち込むこともないですね(^_^;)
ドラゴンを魔女が保護、管理、時には討伐も? するような話です。
ドラゴンが敵(マスコット枠のおすしちゃんみたいに味方になるのも居る)で舞台がロンドンで倒す側(保護管理)が魔女で、巻き込まれる人間はドラゴン憑きでと。
設定が壮大です。
ドラゴンが現実で言う猛獣のような扱いで、それらを保護管理する組織に所属しているのがのえるとニニーの二人の魔女。
で、見た目は犬でもちろん犬だと思っていたおすしちゃんが実はドラゴンで、そのドラゴンに触れ続けたせいでドラゴン憑きになってしまったのが人間のバルゴ。
ドラゴン憑きは長時間一般人がドラゴンと接触したことで罹る病気で、主な症状はドラゴンを引き寄せるそうです(つまり超危険人物認定される)。
今回はバルゴがドラゴン憑きになってしまったが故に、新たなドラゴンを引き寄せ、ドラゴンを保護管理する組織の上役が勢揃いしてバルゴを処分しようとするところで終わります。
第一話から話が動きすぎてキャラも多すぎて掴めないという印象がありますが(^_^;)
流石というか、久保先生はキャラも設定も展開も壮大ながらまとめるのがお上手です。
ここで唐突ですが、久保先生の『BLEACH』時代の私が感じた欠点を挙げますと、展開が遅いことでした。
1話ごとの話の進みが非常に遅いというような印象。
その1話ごとに見せ場となるシーンが多いからなのですが、見せ場じゃないシーン(例えば日常会話のシーンとか)でもコマが大きい上に、主人公以外も大技持ってるキャラばかりだから戦闘シーンはさらにコマが大きくなるわけで、1ページごとの進みも遅いわけです。
BLEACH自体壮大な話だったので、面白いですが、中々話が進まなかったり冗長だったりした時がありました。
それを今回の話で言うと、コマが大きいのは相変わらずですしたが、展開は非常に早いです。
今回は全4話ということで話を早々に進めないと終われないからもあるのでしょうが、展開の遅さはほぼないと言っていいので、これはわくわくしながら次を読むことができます♪
そういう展開の遅さというデメリットがなければ、1コマごとが大きいのは分かりやすくて迫力あるシーンということになるので、メリットしかないと考えます♪
さらには主役二人のキャラ付けがまたいい感じで可愛いのが良いですね。
陽キャでイケイケ気質なニニーと、クールではありますが喜怒哀楽はあって、いわゆるクーデレなのえる。
この性格が一見正反対そうな二人のコンビがデコボコそうでありながら、いざという時はお互いを助けたり連携もできるところなど、見どころは多々ありますね♪
あとのえるはバルゴとの絡みが大好きです。
今回の新連載バージョン第1話だけを見たらバルゴの片想いのような描写でしたが、読み切り時代、のえるがしっかりデレていたのを私は覚えていますw
あのクールな仮面が赤面する姿は久保先生の画力もあってこちらもにやけるのが止まりませんでしたw
しかもバルゴが危機に陥りそうな終わり方をしたので、この二人の仲の進展もめっちゃ期待してますw
『チェンソーマン』
流石、一時的とはいえTwitterで再びトレンドになる程の威力(^_^;)
デンジくんが自分で考えることを放棄し、よりによってマキマさんの犬になるという宣言をした罰のような展開。
今回はパワーか。
まあ、元々未来の悪魔にパワーも死を予言されていましたし、アキくんが死んだこともあって今回の話は予想してはいました。
いましたが、まさかここまでアッサリ「ちょっとコンビニ行ってくる」みたいなノリでパワーを殺害したマキマさんは読めませんでした(^_^;)
でもここまで行くと、もはや清々しいw
チェンソーマンはBLEACHと違って、逆に展開が早すぎてついていけない時が多々ありますw
でも、今回はデンジ君と読者が受けた衝撃がアキくん編に続いて相当だったでしょうから、
逆にここまで展開が早かったからこそ意表を突けたと言ってもいいでしょう。
展開が早い故の読者が衝撃を受けるシーンをよく分かっていらっしゃる。
良くも悪くも展開がえげつない。
「キャラクター達の命が軽すぎる」という批判もあるでしょう。
現に私もこのチェンソーマンに同じような感想を持って嫌悪感を抱いたこともありました。
でも、繰り返しますがここまでいくともはや清々しい。だからこそ逆に面白い。
そしてここまで来たら、もう主要キャラの死亡シーンはないでしょうから(唯一コベニちゃんがまだ残っていますが、退職したから難しいかな?)、
もし主要キャラの死亡シーンがあるとしたら、あるのはデンジ……は分からないけど少なくとも読者からのヘイトは確実に集めているであろうマキマさんでしょう。
マキマさん自体もファンが多いでしょうから、いざ死んだら悲しむ読者もいると思いますが、
残念ながらここ最近と今週の彼女の所業を考えたら私は悲しみません(^_^;)
展開が早い故に、もう来週辺りからマキマさんがラスボスとして戦えそうな感じがするのでw
これも近い内に終わりそうな予感がしますね。
あとはポチタの正体と地獄関連の悪魔とか、そういう伏線が回収されたらいつでも終われそう💦
でも、続きが楽しみなのは間違いないですね♪
『アンデットアンラック』
否定能力の撃ち合い。
やはりバトルはこういう能力同士の激突が物凄く楽しいです。
特にアンディが、風子とタチアナと、そしてちからくんの能力も信頼して、
それを前提においた戦術を練るのが熱いです♪
大技は体の部位を欠損させて再生に時間がかかり、大きな隙をさらすから使えなかったアンディ。
風子を元々一人で守るつもりであったが故に、大技を使えない手堅い戦術しか出来ていなかったのが、
上記3人が「他人の為に命をかけて動ける奴ら」と判断したからこそできる戦術なのがまた良い。
仲間を心から信頼しているからこそ、仲間の能力を使った協力戦術、私こういう展開大好きですw
しかも、今回の相手である不治(アンリペア)は、不治を殺すことこそが治療行為にあたって「(自分が生きるために)不治を殺す行為」ができないと言います。
それも上記のように「自分の命の為ではなく他人の為に命をかけて動ける」ことで、クリア。
自分の命欲しさにここにいるわけではないという証明にもなり、不治は能力というよりも思想、信念の差で敗北したと言っていいでしょう。
否定者を集めるための動機が、世界(ひいては他人)のためであるアンディ達と、終末思想のような形で終わるために(つまり自分たちの都合で自分たちのために)戦う不治達。
その思想の差は確かに決定的だったと言えます。
しかも、他人の為に命をかけて動ける面子にちからくんも入っているのがまた素晴らしい♪
そのビビり癖で能力発動にムラがあり、不治(アンリペア)達からは「使えない」という評価をされていたちからくんが、です。
そのちからくんの能力が、アンディのトドメの一撃に繋がったのが感慨深いです♪
キャラクターの成長が見えるシーンってホントにグッときます。
間違いなく組織(ユニオン)に入るの決定ですねちからくん♪
ただ、不治は本当にアレで死ぬのかというのは疑問です。
心臓貫かれてますが、ラトラは無事だし、彼女の能力かその他の要因で復活できそうな予感があります。
その場合でも「1回死んだ」から能力が解除されて風子は助かるので、そういう展開になりそうな予感もします。
あるいは死んでなくとも何らかの形で不治の能力が解除されるとか。
せっかくライバルの能力も明らかになってきて面白くなってきたので、そのライバル組織のリーダー格をいきなり殺してしまうとちょっと面白さ減衰なので、
不治が本当に死ぬかどうかは五分五分、でしょうか。
私の勝手な予想ですがw
あと前から思ってましたが、アンディ髪下ろしたほうが絶対カッコいいw
『ぼくたちは勉強ができない』
先週からあすみルートですね。
あすみルートは、最初から離島の教師に赴任した成幸くんが、その離島で研修医として働くあすみと再会するところから始まっています。
それ自体が意外でした💦
というか何気に教師としての夢を叶えたのか成幸くん。
文乃編で高校時代にちょっと時が戻ったから、その辺りからやるかと思ったら、再び時系列がちょっと飛びましたね。
というか今までで一番時が進んでいますねw
不満点は、そういう場所だと理珠や文乃やうるかや真冬せんせという、他のヒロインが登場できそうにないのが辛いところですが(^_^;)
恐らく話が進むにつれて離島に遊びに来るとか成幸くんとあすみの方が里帰りする的な展開で他ヒロインと再会するとか。
そういう展開にもしてくれるでしょう、多分w
成幸くんは教師になって既に一社会人になり、一方のあすみは医者という職業故の研修医というまだ学ぶことが前提の職業。
それ故にまだ医者としては未熟で、成幸くんに縫合の仕方を教えてもらうなど、成幸くんの方が色々教える立場になっているのが何か良いですね♪
年は成幸くんの方が下でも、器用さというかそういう面では上で、先輩に対して「教える立場」になり、
そんなところでも教育係のような立場になっているのが流石という感じでしたし、本作らしい展開だなと思いました♪
あすみの方も、「後輩に教えてもらう」というちょっと背伸びする女性なら遠慮しそうな立場なわけですが。
惚れている成幸くんだからというのもあるのでしょうが、過去に散々助けられた経験から成幸くんの人柄に触れ、心のそこから成幸くんを信頼しているからこそ頼ることができる。
そして成幸くんも、あすみが「真摯に”人間”と向き合って必ず相手を心から笑顔にできる人だと知っている」からこそ、
今回のように注射を怖がる子供たちを、というか「人間の患者を相手にすることを」怖がるあすみにあれだけ的確にアドバイスできたのだと思います。
あすみは改めて成幸くんにベタぼれな展開になるのも勿論ですが、
上記アンデットアンラックでも書きましたが、お互いが信頼できるような関係って私は個人的にめちゃくちゃ憧れるので読んでいて楽しいです♪
あとやっぱり各ルート共通で思うのは、各ルートのヒロインに成幸くん「が」ときめくのがめちゃくちゃ良いw
『ボーンコレクション』
先週からそうなると思っていましたが、予想通りでしたね。
今回で最終話、打ち切りですか💦
ホント、何度も書きますが、ジャンプ編集部は今の苦しい状況分かっているのでしょうか。
いや、私のような素人が分かるのですから、編集部はその万倍分かっているのでしょう。
面白い作品が減っていることを。
正直掲載順があまり意味をなさないぐらい、一部を除いて掲載順上位と下位がそこまで大差はないと。
それを分かっていながら、でも打ち切りの基準は変えない。
作品の入れ換えの速度は絶対変えない。
そういう強い意志を感じます。
まあ今まで打ち切られた方々にも示しがつかないでしょうし、公平さに欠けますし、そして私のような素人には分からない編集部だけが分かるしがらみや辛さもあるのでしょう。
それでも、今までのやり方や価値観にずっと囚われず、変わることも一考しておいてほしいですね。
さて、ボーンコレクションの感想ですが。
打ち切り特有の「●年後」からの変わりようとこれからを考えて、終了。
このボーンコレクションもそれになりましたね。
あの盛大な結婚式を経て、5年後、カザミくんと白羅さんは結婚していて、
夫婦揃って人間と妖怪の架け橋のような存在になり、世間もそれを受け入れてきているという状況になっていました。
久しぶりに河童の河太郎くん(だったかな?)が回想で登場し、
「わかるんだ…カザミくんはいつか…いつかきっと…妖怪と人間の隔たりを無くす人だから」
この台詞と、そして5年後にその通りにして見せたカザミくんは最後まで自分の信念を曲げなかったのが良かったですね♪
いつか、私がひねくれた感じでカザミくんに「その理想論を理想のままにせず、結果をもって示してほしい」みたいなことを投げかけましたが。
端折られはしたものの、白羅さんの力もあるとはいえ人間と妖怪の共存が実現しつつあり、世間もそれを認めているという結果を示してくれたわけですね。
その過程が端折られたのはジャンプ編集部のせいでもあるので、そこはツッコまないようにします(^_^;)
とにかく、最初から最後まで人間と妖怪の共生という理念、信念を貫きとおし、それを結果でもって我々に示してくれた。
その決して揺らがない信念がカザミくんの大きな魅力であり、主人公として相応しい部分でしたね♪
あと白羅の骨を使う(つまり骨を抜く)ことで白羅の能力を使っていたこともあり、そして白羅がカザミくんにベタ惚れだったことからの、白羅の最後の一言。
白羅
「妾はそんなお前に骨抜きにされたんじゃ」
これが物凄く上手いなと思いました。
上手い感じで韻をふむ、とはちょっと違うのか?
なんというか、日本語の上手い使い方だと思いました♪
あと侍さんとミルクボーイの絡みがあるとは思いませんでしたw(台詞はありませんでしたが、結婚式の時とエピローグでも一緒にいるw)
何はともあれ、雲母坂先生、お疲れ様でした!