『SPY×FAMILY』の4巻を読んだので、感想を書いていきます。例のごとく4巻のネタバレ注意です。
あらすじと世界観の感想
あらすじをちょっと書くと
「未来が見える犬」と関わることによって主人公ロイドの死と戦争勃発寸前の未来をアーニャが読心の超能力で見てしまい、彼女の機転でそれを回避し、そのことをきっかけにその犬を飼うことになるというエピソードです。
このSPY×FAMILYは、西の国と東の国がいつ戦争に発展してもおかしくないぐらいの世界情勢で、今回のエピソードのようなきっかけであっさり戦争が勃発するのだと、
想像以上にヤバイ世界観だったことがよく分かりました💦
しかもそれを望んでいる者がたくさんいる、しかも学生ですらテロリストになるという悲しすぎる事態です。
何より犬に爆弾つけて特攻させるとか、その学生がマジで鬼畜で救いようがない悪党だったという💦
かなり胸糞悪くなりました。
気になった点①
ちょっと意外だったのは、
仮初の家族ではありますが父親はスパイ、母親は殺し屋、娘は超能力者と
カテゴリーがそれぞれ分けられていたので、今回の犬はそのどれにも当てはまらないものだと思っていました。
「未来を知る」という能力は、アーニャと同じ超能力に分類されました。
超能力が二人(正確には一人と一匹)になってちょっとバランスが悪い印象でした(^_^;)
が、「読心」と「未来視」では同じ超能力の分類でも能力は大きく違うので、そういう意味での差別化なのかもしれませんね。
そして人語を話せない犬だからこそ、心を読めるアーニャとの組み合わせで無双となるわけですから、やはりこうあるべき姿なのかもしれません。
もう一つ気になったのは、「ロイドが死ぬ未来」があったこと。
主人公であるロイドが死ぬ未来は私としては想像もしてなかったので、ちょっとビックリしました。
何故ならコードネーム黄昏(たそがれ)としてどんな任務でもこなし、私の知る限りでは一度も任務を失敗していません。
この『SPY×FAMILY』内作中のあらゆる出来事も(娘や妻の間接的助力もあったとはいえ)解決に導いてきた彼が、例え回避されたとはいえ死ぬ未来があったというのはちょっと信じられない気持ちでした。
ジャンプシリーズに限りませんが、主人公を始めとするヒーローは窮地に立たされることはあってもそこから能力や機転で脱することが多いので。
ロイド自身の能力なら死ぬ前に自力で解決してそうだとも思いました(例えば今回のエピソードなら爆発の瞬間に身を翻す等をして重傷で済むとか)。
普通に死んでいた未来があったことに驚きでした。
気になった点②
前述のようにロイドが死ぬ未来があったわけですが、
最初はロイドが死ななくて、犬が普通にフォージャー家に迎えられる未来が見えていました。
それが、アーニャが今回の学生テロリストに見つかって窮地に立たされ、母親であるヨルに一度救出されてから上記の未来に変わりました。
これって、アーニャの介入によってロイドが死ぬ未来に一度は変わったという認識でいいのでしょうか。
もちろんアーニャは犬の未来視を見て将来フォージャー家に来ることが分かり、幼い故の好奇心とそれによって彼女曰く「わるもの」に遭遇し、
その後は幼い彼女なりに必死に頑張った結果なわけで、アーニャに罪はありません。
しかし気になるのは未来の分岐です。
アーニャが介入していない未来でもロイドは生存し、あのままフォージャー家に迎えられていたことになります。
今回のエピソードでこの世界の未来は、少なくとも犬が視た未来は行動次第で変えられることが分かったのですが、
じゃあアーニャが介入していなかった未来ではどのようなきっかけであの犬がフォージャー家にやってきていたのか、という疑問が生まれました。
その場合テロは起こらなかったのか? あるいは起きてたとしても別の形でロイドとその一派が止めたのか? などです。
過去に現在に未来、あとはタイムパラドックスとかを考えるとキリがないのですが、イフの世界を垣間見てみたいという感想も抱きました。
アーニャの奮闘
この漫画を語る上で欠かせないのが、やはりアーニャの頑張りですね。
自分が超能力者で心が読めることを、育ての親とはいえ心を許している両親にすら言えず、それでもその能力で解決しようと頑張る姿はとても健気でぐっときます。
似たようなのを挙げると『クレヨンしんちゃん』のしんのすけの頑張りが近いでしょうか(特に劇場版が顕著)。
ロイドの任務のことを心を読んで理解し、家でも学校でも外出先でも、普段からその助けとなるように行動するのです。
さらに今回はいつも以上に「人知れず」頑張って、ロイドの死亡と戦争勃発という最悪の展開すら変えて、彼女も言ったように「世界を救った」のです。
一度ロイドが死ぬ未来になった時のアーニャの表情(その未来を見た現在のアーニャではなく、ロイドの死亡を経験した未来のアーニャのことです)の絶望から、
任務である世界平和のことだけでなく、ロイドのことも心から想っているからこそできる行動なのだと思いました。
とにかくアーニャの純粋な優しさがヤバイ内容でした。
犬について
今回からフォージャー家の一員になる犬、名前がボンドと命名されましたが。
まず4巻の表紙をその犬にするほどのプッシュ具合、そしてマスコット枠にしてはそこまで可愛くない姿が逆に好感を持てました。
いやもちろん今回のエピソードを見れば、そもそもの境遇やアーニャたちを助けた行動やら飼われた後のアーニャとのやり取りとかでめちゃくちゃ可愛いのですよ?
ですが、あくまで見た目だけで判断するなら、
超有名な電気ネズミ、
とある海賊の一味の医者トナカイ、
どこぞの怪盗団に所属する喋る猫、
等々には負けますw
そのいずれもが、中の人が大谷育江さんなのは多分偶然ですw
ですがあからさまに可愛い見た目のマスコットはもう「あざとい」とも思われますし、
何より上で語ったようにこの犬は性格と行動によって半端ない可愛さが発生していますから、私的には今後のフォージャー家にとってもマスコット枠としても必須だと思いました。
最後のアーニャと一緒に寝ている姿は破壊力抜群の可愛さでした♪